ソエマツ岳/ソエマツ南西面直登沢(1625m/南日高)

日高の沢は美しいものから厳しいものまで多彩である。 特にカムエク左股周辺やポンベツを除けば中部日高から南部日高にかけての一連の直登沢は沢登りよりも岩登りに近い要素がある。 どの直登沢も強烈な個性と圧倒的な威圧感があるがAACHの言うところの瓶の底に身を置いた時にまわりの岩壁に圧倒されつつも 何故かにやっとしてしまう。その中から第一弾としてソエマツ直登沢をおおくりする。

林道が奥まで進んだために昔の様にソエマツ沢下流の強力な函を通過する事はなくなったが それでも積雪期にはヒマラヤひだを彷佛させるソエマツ沢に落ちる数本の側稜、無積雪期には茶色く輝く岩壁帯 は昔も今もソエマツ直登沢が十分すぎるほど強烈であることに変りがない。出合いから源頭までが核心部だが590m二股からが最初の核心部になろう。小手調べの10mくらいの滝、三段の滝を越えると 険悪な函が始まる。 最初の核心部は10m前後の滝が多いが700m二股から始まる第二の核心部は20m前後と スケールアップする。この第二の核心部は圧巻である。 ここは函の中に滝が連続し直登するにせよ高巻くにせよ完全な岩登りになる。また残置物がほとんどないために確実なルートファインディングが必要になる。早い時期だと800mあたりから沢は雪渓に埋もれるようだが、こう言った沢は雪渓のない 時期に登ってこそ満足感があるのだと思う。 私が登った時は8月後半で1000m二股手前に50mほどの雪渓が残っているだけであった。1000m二股から第三の核心部で40m前後の滝が3つ続く。 この二股の手前960mあたりには右岸に岩壁が広がり80mをこえる滝が垂直に落ちている。

 

雪渓のない時期は960mあたりが一日目のCPになろう。第三の核心部の滝を越えガレが出始めると核心部が終わったことになる。稜線までは小滝が続くが問題になるところはない。 源頭から見る直登沢は見事にV字型をしているのが解る。兎に角にも最初から最後までザイルをしまう時が無かった。ザックのつり上げは何十回したか解らない程であった。
二本のザイルを持って行ったが、うち新品の一本はこの山行後、使う事をためらうほどボロボロになってしまった。960m付近の右岸から落ちる80mをこえる見事な滝をお見せしたいのだが、この沢から中の川に 降り中の川南東面直登沢を登るために時間的余裕が無かったことと、何より源頭までザイルをしまうことが出来なかったために、休憩中に撮った僅かな写真しか残っていない。 (しかし右の写真はその滝の近くのはずなのだが......................)




 
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