中の岳/中の川南東面直登沢(1519m/南日高)

中の岳はペテガリ岳と神威岳の間の主稜線上にあり、夏道がない為に無積雪期は沢が登路となる。また、私の 所属する山岳会の大先輩達が50年前の厳冬期に苦労の末、社会人山岳会としては初めて登頂した記念すべき山でもある。 中の川は奥二股からの神威岳(北東面直登沢)とソエマツ岳(北面直登沢)以外の各ピークに登る沢はどれも手強いものばかりである。 これは三股と奥二股の中間の二股から登った記録である。

出合いから僅か数十メートルで南東面直登沢の特徴である函が始まる。
直登、高巻きを繰り返して進んでいくが、1499から中の川に張り出した尾根が切り立っているために必然的に左岸にルートをとることが多くなる。 conta660m付近からいちだんと強烈な函が始まる。壮絶と表現したほうが適切かもしれない。
この函はconta730mあたりまで函の中に幾重もの滝を連ねて続いている。

高巻きは100mを進むのに2.3時間はかか事が多いため、最低限に抑えておくほうが良い。どの滝もツルツルに磨かれて難しいが高さが ないのが、せめてもの救いである。
ボルトを打ちたい衝動にかられるが、スカイフックとラープなどのマイクロピトンがあると素早く突破できるだろう。
スカイフックは二本以上あると重宝する。アメリカンエイドと違い落ちても水の中であるから気が楽ではある。

行動状況にもよるが780mか880mの二股が一日目のCPになる。
どちらもビバークできる程度の場所しかない。880mの二股で沢は直角に折れ様相が一変する。
函が続くものの、下流に比べ悲壮感を感じることもなく快適に進むことができる。
最後は短いヤブを漕いでピークに立つことができる。
下山は最初にも記したが道はないためにニシュオマナイに降りるか、下降尾根の頭までブッシュを漕ぐことになる。
下降尾根の頭から三股までは昔の様に錯綜とした踏み跡ではなく、立派な鹿道ができている。
なお、増水に対してはこの直登沢にいる限り安全な場所はどこにもない。


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