
Part2は御内から増毛山道の中間地点にあたる武好の旧駅逓跡までの記録である。
なお駅逓付近は武好(ぶよし)と言う地名が付いていたが、今は国道231号線の雄冬村と岩尾村の中間付近にあるトンネルと覆道にその名前が残っているだけである。
雨の予報が出ている中、天気が持ちこたえる事を願って歩き始める。
御内から下りきると大別苅川と暑寒別川を結ぶ林道が山道と交差する。
別苅から灌木に取り付けてある赤地に白抜きの番号が入っている丸い標識はこの林道交差地点から先にはなくなる。
ここから明瞭な山道跡が続く。676の小ピークまでは電柱に導かれながら短い登りがある。
676から686の小ピーク間は左側(東側)が灌木のない開けた斜面が続く。
増毛山塊にはいろいろなルートから登っているが
その中ではここから見る山塊の展望が一番素晴らしいのではないかと思う。左は本峰から西暑寒、中の沢岳、曇の切れ目から群別岳、浜益岳、
御殿、雄冬岳、天狗岳、大別苅山と主要なピークを全て見渡す事ができる。
増毛山塊の全てが見えている訳ではないが、こう見ると山塊の大きさが良く解る。
林道との交差地点からは電柱の保存状態が良く、短い間隔で現れる。
なお、山道は左側(東側)の開けた斜面ではなく尾根右側(西側)のダケカンバの灌木帯沿いに通っている。
山道沿いにピンクのテープが短い間隔で付けられているのを見ると無積雪期に歩く人間がいるのだろうか。ご苦労な事である。
683の小ピークは雪が融けて地面が出ている場所があり、よく観察すると測量に使う杭が落ちていたので、ひょっとしたら作業道があるのかもしれない。
*左の画像は林道と出合った地点から676の小ピークに向けて電柱に導かれ山道跡を進む。
*タイトル画像は増毛山塊をバックに676mの小ピークへ登っている所である。

686mの小ピークから山道は西へ向きを変え天狗岳を正面に見ながら歩く事になる。
それまで短い間隔で残っていた電柱はconta635mの広いコル付近で消失する。
次に電柱を見るのは留知暑寒別川のconta300m付近に流れ込む支流の左股側の源頭(1/25000の地形図で等高線に600mとふってある
少し左上のconta680m付近)になる。おおよそ1kmほど電柱はない。
コル付近からは留知暑寒別川側が歩きやすいので、そちらに進みがちだが地形図では表示しきれない小沢が頻繁に現れるために
できるだけ登り気味にトラバースした方が良い。
あまり下側を進んでしまうと電柱を見つけるのに苦労する事になる。
なお山道はコルから西に進み天狗岳の東のピークから延びる尾根をconta670m付近まで登り、その地点から等高線沿いにトラバースする様に
ついている。
*右の画像はconta635mの広いコルにある電柱。正面は天狗岳東側ののピーク(この先で電柱が消失する)
*2003年の11月号の岳人(No.677)に9ページにわたって増毛山道の記録があるが、それを読んでみると上の画像の位置付近に昭和24年頃まで残っていた移設された武好駅逓があったとの記述が写真入りで紹介されている。
それら写真の中の一つに上の画像と同じか一つ別苅側の電柱付近から撮影されたと思われる駅逓があった場所と駅逓の写真が掲載されている。
この駅逓の画像に関して撮影位置が不明な為、確かな事は言えないが駅逓と背景の山の位置関係から写真は東側から天狗岳方向を撮影したとしか考えられないが、駅逓と背後の尾根の
位置を考えると駅逓はもう少し天狗岳よりで天狗岳と683mの小ピークとのコルから天狗岳への尾根を少し登った地点ではないかと思う。
この増毛山道の記事の中には手書きの増毛山道の地図も掲載されている。天狗岳の東のピークから683の小ピーク上に続く尾根上にNo.8468の水準点と駅逓が並ぶ様に記載されているが、No.8468の水準点はこの尾根から南に進み天狗岳の東側斜面をトラバースした地点にあり(一度、消失した電柱が再び現れる地点の少し北側)尾根上には存在しない。
実はこの天狗岳東斜面のトラバースの途中に山をバッグに撮影された駅逓の地形と酷似した地形があり、ひょっとしたらこの辺りにあったのではないかと考えながら歩いていた。岳人には駅逓跡からビール瓶や陶器の破片など生活痕があったとの記述があるので間違いないのかもしれないが、岳人に掲載されている画像と地図と現地地形の整合性のなさに少し釈然としないものがあるのも事実である。ただ私は駅逓位置に関する文献を持ち合わせていないためにあくまで想像でしかない事を断っておく。
再び現れた電柱から300mほど等高線沿いに進み、その後はconta650付近までトラバース気味に緩やかに下る。
地形図にも記載のある顕著な沢型を越えると山道は尾根上を南へ進む。
どちらかと言うと尾根と言うよりは段丘上になっていて山道は西側を通っている。
昨年の台風の影響か至る所で木が倒れている。
電柱沿いに緩い下りに入り下り切ると小さな沢に出合う。
明治40年に設置された一等水準点(8467)の位置とその点の記を見ると、山道がこの小川を渡る直前に一等水準点が設置されており旧駅逓は一等水準点の少し北側にあることになっている。
今は一面の雪のために仮に駅逓の痕跡が残っていたとしても見つける事はできないが、現在地と電柱の位置、沢の位置
を考慮しおおよその旧駅逓の位置は予想する事はできる。
植生から山道が小川を渡る地点は一目で解る程、顕著でちょうど沢を渡る地点にピンクのテープが結び付けられており恐らく、この地点付近に旧駅逓があったのだろうとの結論に達する。
*左の画像は天狗岳の西側斜面をトラバース中(帰りに撮影のために進む向きが逆になっています)
下が旧駅逓付近と山道が川を渡る地点(武好橋と呼ばれた場所であろうか)の画像である。
赤い服を着た人物の左後方付近に旧駅逓があったと思われる。
なお、山道が小川を渡る地点と付近の数カ所の木にピンクテープが結びつけられていて旧駅逓の位置と何か関係があるのかもしれない。

旧駅逓跡,移設された駅逓跡、水準点をGPSトラック図に表示(注;水準点位置はおおよその位置)

