寿都幌別川備忘録

小樽GCCが北の山脈39号で須築の比じゃないと記録を発表している寿都幌別川についてである。
寿都幌別川については複数の記録があるのなら客観的に沢の善し悪しの判断ができるが、紙面、webを含め記録を見る事ができるのが前述の小樽GCCの遡行記録 のみで、しかも25年も前のものために当時と今とでは沢の様子が変わっている事は十分に考えられるために、それなら現地に行くのが一番と遡行してみた。
通常は沢中一泊の様だが、一日しか時間が取れないために12時をタイムリミットにして噂通りの沢かどうかを確認し、面白そうなら来年の暖かい時期に 来ようと計画を立てる。

林道は地形図では幌別岳のピークまで記載されているが左岸側の林道は入り口から廃道で歩く事すらできない。
右岸の林道は通称一の沢(conata80m)まで下草が五月蝿いが車の通行には支障がない。ゲート等はないし、過去に設置した雰囲気もない。
一の沢から先は林道の形すらなく、ここが実質の登り口になる。

林道終点こそ沢幅はそこそこあるが地形図で感じるような広さはない。
沢の向きのせいなのか太陽光の水面への反射が激しいために水中の様子がさっぱり解らず、深みにはまったりこけたりと疲れる。
地図上の林道が左岸から右岸に渡る地点に沢中にコンクリート製の橋脚が残っていて異様な雰囲気がある。
二の沢までは何カ所か函状地形があり、最初の一歩を踏み出すのに踏ん切りを必要とする函が二カ所ある。
合流する沢はどれも滝となっていて水量を見れば本流と間違う事はない。

二の沢から少し歩くと沢幅が2m程に狭まり正面の屈曲部に高さが20mほどの垂直の壁が見えてくる。
この沢の核心部の始まりだ。
最初の函は膝から腰程度の深さを進み出口の手前3mが背の立たない釜になっている。
泳いで突破するか、50センチ程スタンスの全くないかぶり気味の右岸壁をごまかしてへつる事になるが、この釜を越えてしまうと帰りは泳ぐしか 方法はないので、寒さにめげてパートナーに先の様子を見てきてもらう。
この先も同じ様な地形で昨年の台風の影響か倒木が多いとの事。

私は核心部の入り口のみしか見ていないので、GCCの記録から想像するしかないが恐らく最後まで函状になっているんだろう。
当然、ほとんどは泳ぎで突破になるが、GCCの記録では函滝の処理に苦労したような記述がある。
集塊岩で構成されているこの沢の函はハーケンを打つ事ができるリスは期待できそうもない。ただし雰囲気の酷似している余別川と違うのは岩が脆くない 事だ。そのためにフリーで突破が難し滝はフックがかなり使えると感じた。
仮にフックが外れたり岩が壊れても堕ちるのは釜の中だから、たいした事は無いだろう。
また前述の記録では二カ所ほど巻いているが、巻く事は考えない方が良いと思う。記録当時と今とでは道具、技術が進歩しているので、 あくまで完全直登主義に徹するのがベストだと思う。
同じ様にエスケープルートも考えない方が良い。どの道、エスケープルートはないし、そんな事を考えている様では登る事はできないだろう。
暖かい時期、特に登山道を歩くと熱中症にかかりそうな猛暑な時期を選ぶ事と、陽の差し込まない函の中は猛暑であって寒いからウエットスーツ などの濡れても保温性がある衣類がベストだと思う。
そして一番重要なのはP全員が自分で自分の事がきちんとできる事。


タイトル画像/寿都の町外れの風車より望む夜明け前の寿都幌別岳
中画像左/二の沢手前付近の沢の様子
中画像右/核心部始まりの最初の釜を下山時に泳ぐオムライス

2005/08/29記


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