屏風岩(886.2m/増毛山塊)

屏風岩は暑寒別川と留知暑寒別川に挟まれた尾根上にあるピークで雄冬岳、浜益御殿、浜益岳方面からは船の 舳先のような形に見える特徴的な山容を持っている。
頂上付近は小規模ながら岩壁帯を持ち、標高が低いために潅木が多いが暑寒別別岳から雄冬岳まで見渡す事が できる展望台でもある。
山名につていは地形図に記載は無いが、ゴールデンウイークに登った蚊の沢岳と同じく、三角点名からのものだと 思われる。このページでは地元の呼称に従って屏風岩としている。
*最近は支稜線上のピークや昔は見向きもされなかったやぶ山を訪れる方が増えている。
それら山の中には山名が無いものも多いが、登り手の勝手な解釈で無理やり名前を付けている事を目にする機会がふえてきている。 名前がない山に関しては地元での呼称を調べ、無いものは標高で呼べば良いと思うのは私だけだろうか。
**浜益御殿からの屏風岩の画像はこちらにあります。


暑寒荘に行く出端の沢の二股から暑寒別川沿いの林道に入る。
暑寒別川を渡る橋の手前には通行止めのチェーンがあるので、あらかじめ森林組合に鍵を借りる必用がある。
すぐに林道は二股になり左折し暑寒別川沿いの林道に進む。なお、地形図には暑寒別川の右岸、左岸に道の記載が あるが左岸の林道は既に廃道で徒歩以外での通行はできない。
林道が沢から離れる屈曲部に車を止めて沢に入る。連日の猛暑のためにアブが大発生していて車から降りるのを ためらうほどである。以後、下山し、この場所を離れるまでアブ軍団が今回の登山の同行者に加わる。

気温が高く、湿度が異常に高い中、ガスがかかった暑寒別川の遡行を始める。暑寒別川を歩くのは20年ぶりだ。 猛暑のためか水が少ない
測量用のピンクテープが等間隔で下流から上流まで続いている。何か工事でもするのだろうか?
途中で現れる瀞場を見ては帰りはここで水泳大会をしようと考えながら歩く。
屏風岩へのルートはconta330mの小二股から北の稜線に上がるか、三俣からダイレクトにピークに出るルートを 想定していたが、どちらのルートも一長一短あるために詳細は現地で決定することにする。




conta330mの二股でピークを望む事ができ、地形図で見るよりも沢型が上まで続いていて岩壁基部を歩き 頂稜に上がるコル辺りから稜線に上がれば、後はリッジ上を歩けば楽勝と判断し(この予想は甘かった) こちらから登ることにする。

沢は一跨ぎできる程、小さく、この沢型が稜線付近まで続くのだろうかと疑問に思いながら歩く。
何もないブッシュを被ったブタ沢である。
conta430で林道に出合う。ガスが上がり陽がかんかん照りでとにかく暑い。また、アブ軍団が止まると まとわり着くために、休憩しても休んだ気にならず困ったものである。
ここから上は沢はますますヤブを被る様になり、伏流部も多くルート取りに苦労する。
短い滑が何箇所か出てくる以外は特筆すべきことはない。
conta690m付近で水が切れる。沢型が無くなってからは少しずつ左側(南側)にコンパスを合わせて上を 目指す。



潅木帯を越えると笹の斜面に変わり、ここで頂稜の岩壁帯を見ることができる。
この笹の斜面は背丈を越す高さがある、悪いことにツルが縦横無尽に伸びているために上りも下りも 苦労する。稜線にダイレクトに上がるためは垂直の密生した潅木帯を登らなければいけない為に、頂稜 とのコルを目指し左上する。途中、傾斜があり不安定ながらガレ場があり楽ができる。
頂稜は予想では岩が露出していて、楽に歩けるだろうと思っていたが、潅木が密生した細い尾根であった。
地形図で見るよりは稜線は細く、冬期はナイフリッジだろう。
岩壁帯は高さが15m〜20m程でホールド、スタンスが沢山ある簡単なフェースで登攀対象にはならない。
暑寒別川は岩壁帯で切れ落ち、留知暑寒別川側は密生した潅木の急斜面で強引に進む。
思うに限られた幅しかない潅木が密生した稜線を苦労して歩くのならブッシュの薄い岩壁基部を歩き、三角点の 場所に当たりを付け、この岩壁を登った方が早いし楽だろうと帰ってきてから思った。

頂稜に乗り三角点を目指すも朝からの気温、湿度の高さと、かんかん照りのために熱中症を思われる頭痛、吐き気、 倦怠感があり、無理せず三角点まで少しのところの最高点で頂上宣言をする。
頂稜は中の沢岳、暑寒別岳、尾白利加、群別岳、浜益岳、浜益御殿、雄冬山を見ることができる展望台である。
特に暑寒別川の大屈曲部にある岩峰は素晴らしい。暑寒別川の遡行中でも大きいと感じていたが、この様に全貌を見ると その大きさがよく解る。
北稜クラブだっただろうか、労山系のどこかの会がこの岩壁を開拓していると言う話を聞いたことがあるが、どうなったのであろうか。
この景色は素晴らしいのだが増毛山塊は雪のある景色の方が似合うと思うのは私だけだろうか。
横になる場所も陽を遮る場所もない、この頂稜に長居は無用。何枚かの写真を撮って下降に移る。
帰りは暑寒別川まで降りずに途中で出合った林道を歩き駐車地点付近に出る様に適当なところからブッシュを漕いで暑寒別川を 渡り車に戻る。


****雑感***
私が遡行したルートにはデポ旗もなければ踏み跡も一切なかった。
この様な人の痕跡の全く無い山を今の世の中では見つけることは難しい。
屏風岩を無積雪期に目指す方はほとんどいないだろうと思うが、もしも無積雪期にこの山を目指す方が いるのなら、ゴミなだけのデポ旗の残置や不法な伐採は止めて欲しい。次に訪れる方のためにも地図を読む楽しさ、 ルートを見つける楽しさ、ヤブを漕ぐ楽しさを残して欲しい。


 
左/群別岳から浜益岳方面、中/中の沢岳、暑寒別岳方面、右/雲がかかった雄冬岳


2004/07/31記


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